コラムcolumn

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)による脊椎圧迫骨折

脊椎圧迫骨折は背骨(脊椎)がつぶれて扁平になったものです。
高齢化社会になって骨粗鬆症のある背骨におきることが多くなっています。

原因

後方に転倒して尻餅をついた時、畑仕事や草むしりなどの作業を長時間した時、布団や荷物などの重い物を持ち上げた時など、外傷でなく大きな力が加わった時に起きやすいこともありますが、いつの間にか折れていることもあります。

症状

診断

X線検査をして確認します。しかし変化が少なくはっきりしない事もしばしばあり、痛みが続くなら再度X線検査が必要です。またそれでも変化が少なく痛みが強ければMRI検査を施行して確定します。

治療

保存的(手術をしない)治療が基本です。
受傷後1カ月は骨折部が不安定なため進行する可能性が高いので硬めのコルセットを装着していただいたり、ギプス固定をする場合もあります。
ただ高齢者ではこの固定が苦しくて我慢できない方には柔らかいコルセットを装着していただくこともあります。
また痛みが続く期間はなるべく安静で、寝たり起きたりの回数を少なくしていただきます。ただこれも認知症の進行や体力・筋力低下も考慮しないといけませんので見極めが重要です。
受傷後約1カ月して痛みが軽減してX線でも骨形成が認められたら、徐々に活動性を増やしてゆき身体を慣らしてゆくようにします。そして身体の筋力を鍛えるためにリハビリを開始する事も重要です。
1か月余りも安静な期間を過ごしたら筋力特に背筋中心に腹筋も衰えてしまいますので、コルセットを除去した時に体幹が疲れ易く、長時間の家事等の立ち仕事で腰痛が出やすくなって直ぐ横になりたくなってしまいます。また転倒しやすくもなりますのでリハビリは重要です。
この様に身体が回復するまで半年から1年を要すると言われています。

骨粗鬆症と椎体骨折(骨折のドミノ倒し)

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: be5f5fb65d0fc959a30f446e2e6b906d.jpg

以上の様に骨粗鬆症があると軽微な力で椎体骨折が生じ易く、また骨折が起こると痛みも強くその治療に長期間かかってしまいます。

ですから椎体骨折を含めた骨折と骨粗鬆症は密接な関係にあるので、骨粗鬆症の予防や治療が重要になってきます。

骨粗鬆症の関連コラムはこちらです。