コラムcolumn

筋トレすれば90歳代でも筋力を高める事は可能

「若いころに比べて疲れやすくなった」「階段の上り下りがしんどい」。その大きな要因となっているのが、筋力の低下です。

例えば、小さな段差でもつまずいて転倒したり、骨折したりしやすくなります。また、手足の関節が痛んで、重い物を持ったり階段の上り下りをしたりするのがつらくなったりもします。また、外出や人とのコミュニケーションの機会も減ってしまい、うつ状態や認知症につながる危険性もあります。身体機能を維持・向上することが大切。それには、筋トレが最も楽な近道です

 筋トレは手段であって目標ではありません。筋トレをきっかけに生活のハリを取り戻すことが目標です。中高年になってもハリのある生活を送ることができれば、老化現象にストップがかかるのです。

筋トレが有効な理由の1つには、「速筋」が鍛えられることがあります。

速筋は素早く体を動かすために必要です。若いころなら、何かにつまずいたとしても、とっさに体勢を立て直したり、パッと手を出して周囲のものにつかまったりすることができますが、そういう動きができなくなってくる高齢期には、転倒しやすくなってしまいます。そうした意味でも、速筋を鍛えることが重要なのです。

ウオーキングやジョギング、水泳といった、息切れしないペースで長く体を動かす有酸素運動では、速筋に刺激を与えることはできません。もし走って速筋を鍛えようと思うのなら、短距離ダッシュのような全力疾走が必要になります。シニア世代にはそれは現実的ではないので、効率よく速筋を鍛えられる筋トレがお勧めなのです。

速筋線維を鍛えるには、短い時間でよいので、普段の生活ではあまり経験しないようなちょっと強い運動をすることが大切です。速筋線維はすぐ疲れてしまうので、運動は本当に短時間でよいのです。