足首を強くねじった時に足首の周りの靭帯が断裂(切れる)したり、部分的に傷ついてしまうことを言います。たかが捻挫と思われて、歩けるからと言ってそのままにしていますと、長期に痛みが残ったり、足首の不安定性が残り何度も捻挫を繰り返してしまうようになります。早めに整形外科を受診して治しましょう。
症状
足関節の痛み、腫れや内出血により青あざの様な状態が出ることがあります。関節を支持している靭帯や関節包が損傷することです。
前距腓靭帯が損傷される場合が最も多く見られます。
損傷程度はⅠ度からⅢ度
Ⅰ度 | 靭帯が伸びる程度 |
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Ⅱ度 | 靭帯が一部切れるもの |
Ⅲ度 | 靭帯が完全に切れるもの |
治療
① 初期治療
初期治療が重要です!キーワードは「RICE」
初期治療の「RICE」とは
R : Rest (安静) | とにかく動かさない事!異常を感じたら運動を中止して局所を安静にすること |
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I : Icing (冷却) | 冷やすこと。患部を氷のうや保冷剤で冷やします。患部の毛細血管が収縮して、腫れや内出血、痛みなどが抑えられます。しばしば冷湿布のみをされる方がいますが、これは不十分です。冷やす時間は30分以内で、皮膚がピリピリしたり、感覚が無くなったら一度休止します。1時間毎に3クール程度がよいでしょう。 |
C : Compression (圧迫) | 局所を抑えること。包帯などがあれば患部に巻くとよいでしょう。Icingと同じで、内出血や腫れを抑えるためです。 注意点:締めすぎて血流が悪くなったり、神経障害が出ない様に注意しましょう。しびれや変色が生じたら、直ぐ緩めて巻きなおしましょう。 |
E : Elevation (挙上) | 下肢(患部)を心臓より高くし、心臓へ血液を向かわせ、腫れを防ぎます。クッションなどの上に載せるのもよいでしょう。初期治療の後、整形外科で正しい診断をし、バンド・テーピング固定、物理療法を併用します。症状が強い場合はギプスシーネ固定をする場合もあります。 |
② 治療の経過
初期対応をしっかりして、早くから運動(リハビリ)を開始する方法が主体となっています。
ただし早くからの運動とは、いきなり元のレベルのスポーツに戻るのではなく、基本的な身のこなしや敏捷性など、ブランクに低下した運動機能を再び獲得してからの復帰です。目標は「早期に足を引きずらないで歩けること」です。
③ リハビリの方法、運動
1.外転運動
脱力した状態からつま先を外側(小指側)に動かす。
10回x3セット
2.外返し運動
小指側へ上げるように意識して足首を上に動かします。
10回x3セット
3.外転運動+抵抗
1の運動を小指側にゴムバンドをかけて、親指側で柱に結ぶ・または持ってもらって施行。
10回x3セット
4.外返し運動+抵抗
2の運動をゴムバンドを足の甲にかけ、足の裏側でで柱に結ぶ・または持ってもらって施行。
10回x3セット
5.バランス運動①
痛みが無くなったら、運動する側の片足立ちでバランスをとる練習。
1分間を目標に。
6.バランス運動②
運動する側の片足立ちをした状態で、前方に手を伸ばし目標物に触れて戻ります
目標物が低くなると難易度が上がります。
5回x3セット
7.バランス運動③
ふらつきが減ってきたら、目標物の方向・高さを変化させることにより、より効果が高まります。
10回x3セット
まとめ
初期治療が重要
そして早めの整形外科受診での診断が大事
通院が大変な場合もあるでしょうが、その後のリハビリも重要です。医師や理学療法士の正しい指導の下に、時間が取れる時にリハビリや自主リハビリに通院して下さい。適当にして「いつかは治る」とか「忙しいから」と過ごしてしまうと、その後に痛みが長期に続いたり、足関節の不安定性が残ってしまったりして、結局不自由な生活になります。
あなたの生活になるべく合った治療を提案します。お気軽に受診を!