~膝の痛みと上手に付き合う方法~

「よっこらしょ」がサインかもしれません
「椅子から立ち上がる時に、つい口に出てしまう」「階段を下りる時、無意識に手すりを探している」。そんな心当たりはありませんか?
膝の痛みは、日常生活の質を大きく左右する重要なサインです。「もう年だから仕方ない」と諦めてしまう前に、まずは膝の中で何が起きているのかを知ることから始めてみましょう。
1.なぜ膝が痛くなるのか?

膝の骨の間には、クッションの役割を果たす「軟骨」があります。軟骨自体には神経が通っていないため、少しすり減っただけでは痛みを感じません。では、なぜ痛むのでしょうか?
それは、長年の使用や体重の負荷でこの軟骨がすり減ると、軟骨の削りカスが関節を包む「滑膜(かつまく)」という組織を刺激し、炎症を起こすからです。いわば、関節の中で「小さな火事」が起きている状態です。
これが、整形外科で最も多い「変形性膝関節症」による痛みの正体です。
実は、軟骨自体には神経が通っていないため、少しすり減っただけでは痛みを感じません。では、なぜ痛むのでしょうか?これが、整形外科で最も多い「変形性膝関節症」による痛みの正体です。

ところで「水は抜くとクセになる」という噂がありますが、水が溜まるのは炎症の結果であり、抜くから溜まるのではありません。
特に、以下の3つが進行を早める要因となります。
* 筋力の低下: 膝を支える太ももの筋肉が弱くなる。
* 体重の増加: 1kg増えるだけで、階段では数kg分の負担増になる。
* 生活習慣: O脚や、長時間の立ち仕事などの負担。
2.自宅でできる!膝を守る「貯筋」と工夫
膝への負担を減らすには、自分自身の筋肉を「天然のサポーター」に育てるのが一番の近道です。
激しい運動は必要ありません。まずは、膝に負担をかけずに太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えるこの動きから始めましょう。
①パテラセッティング(タオル押し):

床に足を伸ばして座り、膝の裏に丸めたタオルを置きます。ギュ〜ッと5秒間、膝裏でタオルを床に押し付けるだけ。これを左右10回ずつ、1日2〜3セットを目安に行いましょう。行うことで、膝を支える「大腿四頭筋」が鍛えられます。
②日常生活での「膝に優しい」工夫
運動と同じくらい大切なのが、日々の生活で膝にかかる負担を「引き算」することです。
* 階段の合言葉:
上る時は「元気な足」から、下りる時は「痛い方の足」から踏み出すようにしましょう。「上りは天国、下りは地獄」と覚えると、膝への負担を最小限に抑えられます。
*椅子を「高く」する:
低い椅子やソファ、床からの立ち上がりは膝に猛烈な負担をかけます。なるべく高さのある椅子を選び、立ち上がる時は手すりや膝に手を添えてサポートしましょう。
*靴の「クッション性」をチェック:
底が薄く硬い靴は、地面からの衝撃がダイレクトに膝へ伝わります。ウォーキングシューズなど、衝撃吸収性の高い靴を選ぶだけで痛みは軽減します。
3.専門医に相談すべきタイミング
「これくらいで病院へ行ってもいいのかな?」と迷うこともあるかと思いますが、以下のような場合は早めの受診をお勧めします。
① 膝が腫れている、または熱を持っている。
② 急に膝がロックされて動かなくなる。
③痛みのせいで、買い物などの外出を諦めるようになった。
早めに原因を特定すれば、注射やリハビリなど、手術以外の選択肢で改善できる可能性が大きく広がります。
4.10年後も、自分の足で歩き続けるために
膝の痛みは、単なる「加齢の結果」ではありません。日々のちょっとしたケアや生活習慣の工夫で、その進行を緩やかにし、痛みをコントロールしていくことができます。
痛みを我慢して閉じこもるのではなく、ケアをしながら活動的な毎日を取り戻しましょう。10年後も、あなたが行きたい場所へ自分の足で歩いていけるように。今日から「膝に優しい生活」を始めてみませんか?
当院では膝の運動指導を含むリハビリにも力を入れています。