「夏に腰痛が悪化する」と聞くと、意外に思われるかもしれません。一般的に、腰痛は寒さで筋肉がこわばる冬に起こりやすいイメージがあります。しかし、実は夏の暑さには、私たちの体に知らず知らずのうちに負担をかけ、腰痛を引き起こす様々な要因が潜んでいます。今回は、夏の腰痛の主な原因と、それに効果的な予防・対策法について詳しく解説します。

なぜ夏は腰痛になりやすいのか?
夏の腰痛の最大の原因は、冷えによる血行不良です。
- 冷房による冷えと自律神経の乱れ : 外の灼熱の暑さから逃れるために、多くの人がエアコンの効いた涼しい室内で過ごします。しかし、この快適な空間こそが、腰痛の引き金となることがあるのです。屋外との激しい気温差は、体温調節を司る自律神経に大きな負担をかけます。自律神経が乱れると、血流が滞り、筋肉が硬直します。特に腰回りの筋肉は、体の中心を支える重要な役割を担っているため、血行不良の影響を強く受け、腰痛につながりやすくなります。
- 冷たい飲食物の摂りすぎ : アイスクリームや冷たい飲み物は、夏の暑さを和らげてくれますが、摂りすぎると体の内側から冷やしてしまいます。内臓が冷えると、内臓疲労が起こり、自律神経のバランスが崩れます。この影響は、腰周りの筋肉の緊張を招き、腰痛を引き起こす原因となります。
- 水分不足 : 夏は大量の汗をかくため、意識して水分を摂らなければ脱水症状に陥りがちです。水分が不足すると、血液がドロドロになり、筋肉や関節に十分な栄養が行き届かなくなります。また、背骨のクッションの役割を果たす「椎間板」も水分が不足することで弾力を失い、腰への負担が大きくなります。これらの要因が複合的に作用し、腰痛を悪化させることがあります。

さらに、暑さによる活動量の低下も大きな要因です。
- 運動不足による筋力低下:暑さを避けて室内にこもりがちになると、体を動かす機会が減り、腰を支える筋力が低下します。筋力が弱まると、些細な動きでも腰に負担がかかりやすくなります。
- 疲労の蓄積:暑さで睡眠が浅くなったり、食欲が落ちたりすることで、体力が奪われ、疲労が蓄積しやすくなります。疲労が溜まった体は、回復力が低下しているため、いつもなら問題ない動作でもぎっくり腰を引き起こすリスクが高まります。
今すぐできる夏の腰痛対策
夏の腰痛を防ぎ、快適に過ごすために、以下の対策を実践してみましょう。
- 体を冷やしすぎない工夫
- 冷房の適切な利用:冷房の設定温度を下げすぎないようにし、風が直接体に当たらないように風向きを調整しましょう。
- 服装の工夫:薄着になりがちな夏ですが、カーディガンやストールなどを持ち歩き、冷える場所では腰回りを冷やさないようにしましょう。
- 温かい飲食物の摂取:冷たい飲み物やアイスクリームばかりではなく、常温の水やお茶、温かいスープなどを意識して摂るように心がけましょう。
- こまめな水分補給
- のどが渇く前に、こまめに水分を摂る習慣をつけましょう。大量に汗をかいた場合は、水分だけでなく、塩分やミネラルも補給できるスポーツドリンクなどを活用するのも良いでしょう。
- 適度な運動とストレッチ
- 朝や夕方の涼しい時間帯にウォーキングやストレッチを取り入れ、血行を促進しましょう。
- 特に入浴後は体が温まり、筋肉が緩んでいるため、ストレッチを行うのに効果的なタイミングです。無理のない範囲で、ゆっくりと腰や股関節周りの筋肉を伸ばすストレッチを習慣にしましょう。

夏の腰痛は、日頃のちょっとした心がけで予防・改善することができます。冷えや水分不足に注意しながら、今年の夏も健康な体を保ち、アクティブに過ごしましょう。