寒くなったら全身の動きが悪くなり、重い物を持った時や急に立ち上がった時などに腰部に急に激痛が走って動きにくくなることがあります。これを通称「ぎっくり腰」と言われ、正式には「急性腰痛症」と言います。
原因
はっきりとした原因はわかっていません。
時間をかけて蓄積したさまざまな原因がからみあい、徐々に進行し、ふとした瞬間に激しい痛みとなって出現します。
姿勢がゆがみ、くずれていると、背骨に負担がかかり、さらには腰への疲労として広がります。腰の疲労が蓄積してくると腰椎椎間板も圧迫し、背中から腰にかけてハリやだるさを感じることが多くなります。
ここで椎間板の髄核がはみ出してしまうと神経を圧迫刺激したり、高齢者では圧迫骨折が起こったりして激痛となることもあり、ただの腰痛だと思って整形外科受診せず施術を受けたり放置しておくことは危険ですので注意が必要です。
治療
治療は一定ではないと言われていますが、
長期間横になって安静にしていない方が早く治ると言われています。
急性期は激しい痛みがあるため、痛み止めの薬や消炎鎮痛効果のある湿布でしっかり痛みを軽くしましょう。場合によってはコルセットで腰を固定して腰の動きを制限して正しい姿勢を身につけることも大事です。
その後はできる限り早期に通常の生活を心がける事が大事です。
そのためには、軽いストレッチなどを行うのも悪くないし、温めたり冷やしたりは、より楽になる方を選択したらよいでしょう。
効果的ストレッチ
再発防止
ぎっくり腰は繰り返す方がしばしばおられます。
はっきりとしたことはわかっていませんが、やはり普段とは異なる負担が腰にかかると生じるようです。
ではそれを予防するにはどうすればよいでしょうか。
① 長時間同じ姿勢で過ごさない
長時間同じ姿勢でいた後は筋肉が上手く動かなかったり、関節が固まったりします。
その様な時は時々休憩をして動いたり、座る場合はやや浅めに座り、足を床にきちんとつけて姿勢を正すことも大切です。
② 体調を整える
身体は睡眠不足や疲れが溜まっている時は、本来の動きができず腰に負担がかかる動きをすることがあります。ですから日々の体調にも気をつけましょう。
③ 身体を温める
39度のぬるめのお湯で全身浴し、しっかり首から腰まで温めます。湯冷めにも気をつけて温かい格好で睡眠をとることも予防になると言われています。
④ 運動をする
筋肉や関節を大きく動かす機会がほとんどなく、身体を上手く動かせない場合にぎっくり腰になる事があります。日ごろから背骨に曲げる、反らす、捻じる運動をさせてやるのも良いです。ラジオ体操もお勧めです。
生活の中での注意点
正しい姿勢で生活しましょう
・椅子には姿勢よく座る
・なるべく重い物を持たないようにし、荷物を持ち上げる時も、腰を曲げないように、膝を曲げたり、しゃがみこんで行います
まとめ
・ぎっくり腰は、長い時間やさまざまな原因が合わされて、ある日突然起きてしまいます。
・症状が出現したら、治療に集中してなるべく早く日常生活を取り戻すようにしましょう。長期間の安静は禁物です。
・再発を繰り返す時は生活習慣を見直すことも重要です。
・単なる腰痛と考えて漫然と治療するのではなく、まずは整形外科を受診して椎間板ヘルニアや腰椎圧迫骨折などの病気を除外する事も重要です。