靴は身体の土台であり、その選び方次第で健康状態が大きく左右されます

1. なぜ靴選びが重要なのか
足は身体の土台であり、足元が不安定になると足首、膝、股関節、そして腰にまで負担が及びます。例えば、かかとの高いハイヒールなどを履くと、重心のバランスをとるために「スウェイバック(凹円背)」という猫背のような姿勢になりやすく、これが腰痛の原因となります1。また、自分の足に合わない靴を履き続けると、外反母趾や内反小趾、胼胝(たこ)、巻き爪といったトラブルを引き起こす可能性があります。
2. 靴選びの「10のチェックポイント」

整形外科医が推奨する、靴選びの際の具体的な確認事項は以下の通りです。
- ① 床に置いたとき、着地面積が広く安定している。
- ② ヒールがかかとの中心にあり、左右のバランスが良い。
- ③ 縫製や接着が丁寧になされている。
- ④ 靴の中に手を入れたとき、靴底に凹凸やシワがない。
- ⑤ 靴の先を曲げたとき、適度な弾力があり、硬すぎない。
- ⑥ ヒールの高さは3cm前後が最も疲れにくい。
- ⑦ 靴の折れ曲がる位置が、足の指の付け根の位置と一致している。
- ⑧ 足の甲がきつすぎず、紐などの当たりが適切である。
- ⑨ くるぶしに当たらない程度の、適切な靴底の深さがある。
- ⑩ 靴底に適度なクッション性がある。
3. 正しいフィッティングのコツ

靴を購入する際は、以下の点に注意して「履き心地」を確認してください。
- 両足で試着する: 人間の足は左右でサイズが微妙に異なるため、必ず両足で履いて確かめることが大切です。
- 購入する時間帯: 足は夕方にむくんで大きくなるため、午前中に購入する場合は多少ゆとりのあるものを選びましょう。
- 捨て寸の確保: つま先から**1〜1.5cm程度の余裕(捨て寸)**があるのが理想的です4。
- 紐やベルクロの活用: スリッポンタイプは脱ぎ履きには便利ですが、歩行時に足が前滑りしやすく、指を痛める原因になります。紐やマジックテープで甲をしっかり固定できる靴が望ましいです。
4. 足のトラブルへの対策
すでに足に痛みや違和感がある場合は、靴の改善や補助器具の検討が必要です。
- 外反母趾・内反小趾: 3cm以上のヒールが必要な場合は、かかとが水平で足が前に滑らないものを選び、長時間の使用は避けましょう。
- アーチの低下(開張足など): 足の裏が痛む、あるいは「たこ」ができる場合は、横アーチを支える**「中足パッド」や「アーチサポート」**が有効です。
- 機能的インソールの利用: 自分に合う靴が見つからない場合は、かかとの安定性や土踏まずを補助するインソールで調整するのも一つの手です。
まとめ
「履きやすい靴」が必ずしも「歩きやすい靴」とは限りません。デザインや軽さだけでなく、自分の足の形(エジプト型、ギリシャ型など)に合い、足をしっかりと支えてくれる靴を選ぶことが、健康な歩行への第一歩です。痛みが続く場合や変形が気になる場合は、早めに整形外科を受診し、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。